2020/04/28 10:13
■クレアチンって何?
クレアチンはアミノ酸の一種です。アミノ酸とは食べ物から得られるタンパク質が分解されたもので、筋肉を構成したりしています。クレアチンは体内で合成され、大部分がクレアチンリン酸というものに変換され、筋肉に存在しています。そして運動した時にエネルギーになると言われているATPの再生にクレアチンリン酸は使用されています。そのため、一般的には「持久力を高める」「疲労を回復する」と言われています。
大人だけではなく、子供においても安全に使用することができると言われています。
タンパク質を食事で食べてもクレアチンを効率的にとることができないため、クレアチンを効率的に摂取するためにサプリメントが一つの方法と言われています。
期待されているためか様々なサプリメントが日本でも発売されています。
■成分と特性
クレアチンはタンパク質を分解してできるアミノ酸の一種であり、成分そのものであります。タンパク質は体に吸収される際にアミノ酸に分解されてから吸収されるため、クレアチンも飲むことにより吸収されると考えられます。
国内の制度では、「医薬品的効能効果を標ぼうしない限り医薬品と判断しない成分本質 (原材料)」とされており、こういう効果がありますよと言わなければサプリメントの扱いになりますが、効果がありますというと薬になってしまうようです。その分効き目もあるのではないかと考えます。
クレアチンは体の中で90%が筋肉に存在すると言われており、体の中で一日中運動している心臓の筋肉に多く存在し、あまり動かないような筋肉にはあまり存在しないようです。
クレアチンの構造も複雑ではなく、測定する方法がしっかりとわかっているようなので、得体のしれないようなものではないです。
■安全性
元々体を構成している成分であるため、比較的安心して使用することができます。
適切な使用方法を守れば安全であることも示されているため、サプリメントの中でも特に安心して使用できるでしょう。また、連続で5年まで飲んでいても安全であるというデータもしっかりとあります。何か体に影響があるとすれば、吐き気や下痢などの可能性があります。元々体の中の構成成分であるため、アレルギーの可能性は低いと思います。
大人だけではなく、子供でもその安全性が示されているため、子供でも安心して飲むことができると思います。妊娠している方や授乳中の方にはデータがないため、飲むことは避けた方が良いと考えます。
その他、うつ病の方や腎臓の病気を抱える方、糖尿病の方も飲むことは避けた方が良いと考えます。
薬との相互作用に関しては、クレアチンが腎臓に影響を与える可能性もあるため、腎臓に影響が出る薬は注意が必要と考えられます。また、カフェインなどとの併用にも注意が必要であるとのデータもあります。
■効果
クレアチンによる効果は疲れにくくなるや持久力が増える、筋肉量が増えるなどが言われています。それらについて細かく記載してみました。
・疲れにくくなる
筋肉がATPを使用すると、ATPはADPと遊離リン酸に分解されます。クレアチンは余ったリン酸をつかまえ、ただちにリン酸とADPを結合させ、ATPを再合成します。つまり、筋肉中のクレアチンが増えれば増えるほど、エネルギーを効率的に再生することができ、エネルギー不足になりにくくなる。それにより同じ運動をしても疲れにくくなると考えられています。
実際に研究結果では、偽薬(一般的にプラセボと呼ばれる)を飲む人とクレアチンを飲む人を分けた研究では、無酸素運動能力が上昇していることがわかったという研究もあります。それだけ、疲れが出にくくなり、運動能力が増したということではないかと思います。
・持久力が増える
疲れやすさの部分と仕組みは似ていますが、ATPという物質を再合成することでエネルギーを長く効率的に使用できると考えられています。
実際に研究結果では、偽薬(一般的にプラセボと呼ばれる)を飲む人とクレアチンを飲む人を分けた研究では、スクワットやジャンプなどを行う研究で、持久力が増えたという報告があります。エネルギーを効率的に使うことにより持久力が増えたのではないかと考えられます。
・筋肉量が増える
クレアチンは筋肉を構成するのに必要なアミノ酸の一種です。クレアチンは体の中で筋肉に多く存在し、筋肉を作るために重要な成分となっています。その筋肉を作る成分を飲むため、筋肉が作りやすくなり、増えると考えられています。
実際に研究結果では、偽薬(一般的にプラセボと呼ばれる)を飲む人とクレアチンを飲む人を分けた研究では、足の筋肉や胸の筋肉が増強したという報告がされています。
筋肉とつける目的で飲んでみても良いもしれません。
・筋萎縮性側索硬化症に効果がある?
効果がないということがしっかりと示されているようです。クレアチンは向かないと考えた方が良いと考えます。
効果については何かが疲れやすさが増したり、運動能力が低下したなどの効果がマイナスに出るという報告は見つかりませんでした。
■論文等の研究情報
・クレアチンにより無酸素運動能力は向上する
2019年1月までに出ているクレアチンによる無酸素運動への効果をみた論文では9報告の内、5個で効果がしっかりとあるということが言われています。
・クレアチンにより筋肉量が増加する
高齢のカナダ人における研究では、クレアチンを摂取し運動を行ったところ、脂肪の量が減り、膝や胸・腕などの筋肉の増加が見られたという報告がされています。
・クレアチンにより疲れにくくし、持久力は増強する
2013年6月までに出ているクレアチンによる持久力への影響を見た論文では、30秒立ち上がりテスト(30秒間に何回立ち上がることができるかのテスト)の回数が増えたという報告もあります。疲れにくく・持久力が増えたことにより回数が増えたと考えられます。
・サッカー選手で運動能力向上が見られた
30人の女性サッカー選手にクレアチンを飲んでもらったところ。跳躍能力の向上が見られたという報告があります。
参考情報
Natural Medicines
「医薬品の範囲に関する基準」(別添2、別添3、一部改正について)